香川 <アートがつなぐ>瀬戸内国際芸術祭’16 開幕 島々で祭典、一色に
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「瀬戸内国際芸術祭2016」が始まった20日、サンポート高松(高松市)や沙弥島(坂出市)、宇野港(岡山県玉野市)などではセレモニーなどが行われ、3年ぶりの現代アートの祭典の開幕を盛り上げた。港からは人々を満載した船が会場となる島々に向けて次々と出航。瀬戸内海はアート一色となった。

 高松市のサンポート高松で開かれた開会式では、獅子舞演舞などオープニングアトラクションがあった。芸術祭実行委会長の浜田恵造知事は「みんなで楽しみましょう」と開会宣言。メタルテープが多数吹き上がり、大きな歓声と拍手が巻き起こった。

 坂出市の沙弥島会場であったオープニングセレモニーでは与島地区の5島の住民たちが、各島の伝統芸能を来場者らに披露。小中学生が「子ども獅子」を勇壮に舞い、大きな歓声が上がった。

 また、会場には、部屋一面の塩に特産の金時ニンジンを置いた作品や、広場に小山を造成した作品などユニークなものが並んだ。

 松山市から家族で訪れた医師、沢田直哉さん(40)は「美術館で見る作品と違い、自然の中にあるのが良い。自然と調和していて、見ていて楽しい」と話していた。

 ◇オブジェ展示、岡山でも

 瀬戸内国際芸術祭の会場の一つである岡山県玉野市の宇野港周辺でも、放置自転車を使用したアートやオブジェなどが展示され、訪れた人たちの興味をひいていた。

 岡山市在住のファッションデザイナー、山本哲也さん(42)が手掛けたインスタレーション(空間芸術)作品「哲子の部屋」では、布製の絵の一部を取り外すと女性服になる「絵になる服」や、ゾウの体の一部を模した「動物の服」といった奇抜な衣類や靴など約40点が並んだ。


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<瀬戸内国際芸術祭>開幕 島など舞台に226組が参加

香川、岡山両県の12の島などが舞台の現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2016」が20日、開幕した。3年ごとの開催で3回目。34の国・地域から226組のアーティストが参加(開幕時点)する。

 会期は▽春=20日?4月17日▽夏=7月18日?9月4日▽秋=10月8日?11月6日??の計108日間。前回は107万人が訪れた。

 瀬戸大橋近くの沙弥島(香川県坂出市)では、地元の漁師らと編んだ漁網を使った「そらあみ<島巡り>」などを展示。虹のように豊かな色彩が、島に人々をいざなう懸け橋になる。
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<アートがつなぐ>瀬戸内国際芸術祭’16 12の島々、創造空間に 春会期あす開幕 /香川


 香川、岡山両県の12の島々を中心にアート作品を展示する「瀬戸内国際芸術祭2016」は20日開幕する。春会期(20日?4月17日)、夏会期(7月18日?9月4日)、秋会期(10月8日?11月6日)の計108日間開かれ、世界34カ国・226組(開幕時点)のアーティストが参加する。開幕を目前に各アーティストによる準備作業が最終段階を迎えている。

 会場の一つである小豆島では、メイン作品の一つ、台湾出身のアーティスト、王文志さんの「オリーブの夢」(小豆島町中山)が完成し、このほどお披露目会があった。

 オリーブの夢は地元住民らが切り出した約5000本の竹を使い、スロープの上に小豆島の特産品オリーブの実をモチーフに大小二つのオブジェを作っている。高さ約15メートル、内部の床は楕円(だえん)形。床には棚田をイメージした3段の段差を設け、一番内側に腰を下ろすと、周囲に広がる棚田「中山の千枚田」の景観を眺めることができる。お披露目会に参加した地元住民らは、竹の間から優しく差し込む光を浴びながらゆったりとした時の流れを楽しんでいた。

 王さんは「みんな忙しく自分の声を聞く時間がない。この空間に入り、寝転び、耳を澄ませ、もういちど自分自身を見つめ直すことで心の声も聞こえてくる」と説明した。


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